創業融資の種類とは?特徴や申請方法を解説

創業融資の種類とは?特徴や申請方法を解説

起業したいと考えた時に、多くの人が最初につまずくポイントは「創業資金を集めること」です。

例えば店舗を借りて飲食店を開くケースで考えると、店舗の契約金や家賃、内装整備費、消耗品費など多額の資金が必要となります。

これらの資金を自己資金だけで賄えるならそれに越したことはありませんが、なかなかそうもいきませんよね。そこで創業融資の出番です。

創業融資を行うことで、自己資金だけでは達成し得なかった起業の夢が叶います。

創業融資の資金調達方法とメリットデメリット

親族からの借入

最も借りやすい方法の一つとして、親族からの借入も視野に入れておきましょう。あなたの起業を応援してくれる親族であれば、熱意と起業プランをしっかり伝えることで創業資金を貸してくれることでしょう。

注意点としては、「利息を取らないと贈与税がかかる恐れがある」ということです。返済時に利息を払わず元本のみ返済していると、税務署から「お金を借りた側が利息分を得している」とみなされ、「支払っていない利息分を贈与された」と判断される可能性があります。

たとえ信頼しあっている親族からの借入であっても、借用書や契約書をしっかりと作成しておくこと、毎月きちんと利息の支払いを行いましょう。

ベンチャーキャピタル

返済義務のない融資ではありますが、実績も信用力もない段階でベンチャーキャピタルから融資を引き出すことは非常に困難です。

ベンチャーキャピタルとは、投資会社の一つの形態を示す言葉です。日本におけるベンチャーキャピタルの投資先は「近々上場予定のある企業」などに限られます。したがってこれから創業しようという個人に対して融資を行うベンチャーキャピタルは非常に少なく、あったとしてもかなり不利な条件を提示されることを予想しておきましょう。例えば「起業後の未上場株の3割をベンチャーキャピタルに譲る」「ベンチャーキャピタルから派遣する人材を取締役に就任させる」などが考えられます。ベンチャーキャピタルも利益を出さなければ生き残れませんので、シビアな契約となることは間違いありません。

クラウドファンディング

近年、着実に広まってきている資金調達方法の一種です。

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて多くの人から少額の資金を募る仕組みのことを指します。クラウドファンディングには大きく5種類の形式があり、そのうちの一つ「寄付型」は、基本的に集めた資金の返済は不要です。それ以外の形式であっても、事業を開始した後に商品や資金を返済する仕組みとなっており、借りる側としては非常にリスクの少ない資金調達法と言えるでしょう。しかしながらクラウドファンディングのサイトに数パーセントのインセンティブを支払う必要があることや、そもそも資金が集まらない可能性もあることを念頭に置いた上で、資金調達に利用するかを判断しなければなりません。

日本政策金融公庫からの借入

日本政策金融公庫とは、日本政府が100%出資している政策金融機関です。過去は「国金(こっきん)」現在は「公庫(こうこ)」などの愛称で呼ばれることもあります。日本政策金融公庫は、個人の小さな起業にもなんとかして融資をしたいという姿勢で接してくれる、創業融資に最も積極的な金融機関と言えます。創業融資を考える際に絶対に外せない存在です。2020年6月現在、創業時に利用できる主な融資制度は以下の通りです。

  • 新創業融資
  • 新規開業資金
  • 女性、若者/シニア起業家支援資金
  • 生活衛生新企業育成資金
  • 資本性ローン

これらは融資の対象となる人や資金の使い道、融資限度額などで分けられています。

このうち、不動産などの担保や保証人が立てられるなら新規開業資金が、無担保で保証人も立てられない場合は新規開業資金がお勧めです。

地方自治体の制度融資

制度融資とは、①都道府県や市区町村などの地方自治体と②信用保証協会③銀行など金融機関の三者が協力して、公的資金を貸し出す制度のことです。信用保証協会とは、これから創業する方や中小事業者等に対する金融の円滑化を図ることを目的として設立された公的機関です。一言でいうと、事業者の保証人になってくれる機関です。

制度融資は大変便利で使い勝手の良い制度ですが、融資の実行までかなり時間がかかる方法ですので、起業までの時間がある方には大変お勧めの方法ですが、すぐにでも融資を受けて起業されたい方は、少し時間がかかりすぎると感じるかもしれません(1ヵ月程度)。その理由は金融機関への申込の後に、信用保証協会の申込も控えているからです。詳細は下記の創業融資の申請方法と手順をご確認ください。

また、制度融資を利用する場合、デメリットとして信用保証料の支払いが義務付けられていることが挙げられます。

信用保証料は、融資実行時に一括で支払うのが原則です。ただし自治体によっては、信用保証料の全部または一部を補助する制度もあります。最寄りの地方自治体の窓口で保証料の補助がないか確認してください。

商工会などの融資斡旋

商工会議所では、小規模事業者の経営をバックアップするために無担保・無保証人で日本政策金融公庫の公的融資制度を利用できるようになる推薦制度があります。例えば東京商工会議所を介すると、無担保・無保証人で最大2,000万円までの融資を受けることが可能です。

創業融資の申請方法と手順

創業融資はこれまで見てきたように様々なものがありますが、ほとんどの方が日本政策金融公庫か自治体の制度融資を利用されることと思います。ここでは、日本政策金融公庫と制度融資の手順を確認します。

日本政策金融公庫の場合

日本政策金融公庫の融資申請手続きの大まかな手順は、相談→申込→面談→融資実行です。相談から融資実行まで、2週間から1ヵ月程度の時間を要します。特に資金調達需要が高い3月やゴールデンウィーク、年末年始などは窓口によって大変混雑しますので、早めに手続きをしておきましょう。

なお申込窓口は、法人の場合は本店所在地、個人の場合は創業予定地の近くの日本政策金融公庫の支店となります。

  • 日本政策金融公庫への相談申込
  • 面談
  • 融資実行

面談の日取りは、早い場合は相談申し込みから数日で連絡がきます。面談には創業計画書等の資料が必要になりますので、相談申込をする段階で創業計画書や見積書などを作成しておくことをお勧めします。

創業融資の場合

創業融資を受けると決めたら、まず最寄りの自治体に融資の斡旋の申込をします。自治体から融資斡旋の紹介状を発行してもらい、取引先の銀行など金融機関を通じて、信用保証協会に保証の申込をします。信用保証協会は、審査を行い融資が適当であると判断した場合、信用保証書を発行します。信用保証協会の保証を得られた段階で、金融機関はあなたに対して融資を実行します。

  • 自治体の窓口で相談
  • 自治体に融資斡旋の申込をする
  • 自治体より紹介状を発行してもらう
  • 紹介状を持って金融機関へ融資申込
  • 金融機関の審査面談
  • 信用保証協会へ信用保証の申込
  • 信用保証協会の審査面談
  • 信用保証実行
  • 融資実行

制度融資は各地方自治体が中小企業支援策として独自に行っているものです。したがって融資を受けようとする自治体により、融資の条件融資の種類や借入限度額、金利等が異なります。

まずインターネットなどで調査し、最寄りの自治体の融資条件などを確認の上、相談窓口まで赴きましょう。

ただし、先に金融機関の窓口で相談してから自治体に行っても問題ありません。

創業融資の審査で気をつけるべきポイント

創業融資の審査で気をつけるべきポイント

創業融資の3種の神器は、創業計画書と自己資本、社長面談と言われています。それぞれについて気をつけるべきポイントを解説していきます。


創業計画書

必要書類の中で最も大切なものが創業計画書です。創業計画書は日本政策金融公庫等のホームページからダウンロードもできますし、自作したものを使用しても構いません。創業計画書には、あなたの創業に対する想いだけでなく、数値をふんだんに使用し、第三者が説明を聞いても納得のできる創業プランを書き込みましょう。

自己資本

自己資金の原理原則は通帳で確認でき、かつこれまでの仕事等の給料等からコツコツ貯めてきた貯金である事です。

自己資本は、融資希望額にもよりますが、最低300万円は見ておきましょう。あなたのビジネスが思うように利益を上げられなかったとしても、スモールビジネスであれば3期連続赤字でもなんとか耐えられる金額です。金融機関が融資を実行するにあたり最もネガティブに考えるのが債務超過です。債務超過とは、すべての資産を手放したとしても債務を返済しきれない状況を指します。債務超過になると、倒産する可能性が高いと判断されます。債務超過になりやすいと判断されないためにも、最低300万円は自己資本を準備するべきでしょう。

面談

創業融資の面談で最も大切な事は「余計な事は話さず、質問されたことだけに回答する」と言うことです。もちろんアピールすべき点については強調してOKですが、審査に不利になるかもしれないことまで自ら話してしまわないよう注意しましょう。

また、面談場所は日本政策金融公庫の支店内になります。あがり症の人は緊張しないよう前もって準備をしておきましょう。例えば、支店に一度出向いて下見をしておく、着慣れないスーツではなく普段着ている仕事着で面談に臨む、などです。そのほかリラックスできる方法があれば積極的に取り入れてください。

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