【審査基準を大公開】日本政策金融公庫の審査で主にチェックされる12のポイントと融資専門家からのアドバイス【チェックリスト付き】

印を押している様子

念願の独立・起業。
開業には多くの資金が必要となり日本政策金融公庫の創業融資を受けようと決意したものの、「日本政策金融公庫の創業融資の審査は甘いらしい!」という噂を聞いたり、一方で「審査の面談で、厳しいことを言われた!」「審査に落ちてしまった」などの声を耳にしたりと、ご不安に思われているのではないでしょうか?

結論、日本政策金融公庫の創業融資の審査は甘くはありません。
ですが、きちんと準備をして、審査の対策を行っていれば、あなたも創業融資を受けることができます。

そこで今回は、日本政策金融公庫の創業融資の審査について、審査基準や落ちる可能性の高い人、審査への対策方法などを、年間60件以上融資サポートを行っている創業融資の専門家が詳しく解説していきます。

創業融資サポートに特化してきた専門家だからこそわかる、創業融資の審査をクリアするためのノウハウを全て公開していきますので漏れなくチェックしてみてください。

創業融資サポート

1.日本政策金融公庫の創業融資の審査に落ちる人は申込前から決まっている!?申込前の自己チェック!

日本政策金融公庫の創業融資の審査に落ちる人は、実は申込の前から決まっています。
次の6つの項目に1つでも問題がある場合は、申込自体できないケースが多いです。
創業融資の申込をする前に、自己チェックをしておきましょう。

  • 【日本政策金融公庫「創業融資」申込前自己チェック6項目】
□(1)開業に必要な資金の10分の1以上自己資金の準備はありますか?
□(2)水道光熱費や家賃、携帯代などの毎月の支払に滞りはありませんか?
□(3)税金の滞納はありませんか?
□(4)過去に債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)はしていませんか?
□(5)過去5年以内に借入金の返済やクレジットカードの支払い遅延はありませんか?
□(6)消費者金融やカードローン、クレジットカードのキャッシングの利用はありませんか?

ここでは、審査の基準と具体的な対策について年間60件以上融資サポートを行っている創業融の専門家が詳しく解説していきます。

  • (1)開業に必要な資金の10分の1以上自己資金の準備はありますか?

日本政策金融公庫の創業融資の申込の要件には、「自己資金要件」があり、開業に必要な全ての資金の10分の1以上の自己資金が確認できなければ、申込自体を行うことができません。
例えば、開業に1,000万円の資金が必要な場合、100万円以上の自己資金の準備が必要になります。

【審査の基準】
・開業資金の10分の1以上自己資金が確認できるか・できないか
・その自己資金は、他者から一時的に借りた見せ金ではないか

【審査に落ちる人】
・開業資金の10分の1以上の自己資金の用意がない
・他者から借りたお金を自己資金として申請している。

【対策】
・自己資金が10分の1に満たない場合は、自己資金を貯めてから申込をするようにしましょう。
・通帳の預金の他に、投資に回しているお金や保険などで積み立てているものを現金化することで自己資金とすることができます。他に資金がないか検討してみましょう。
・自己資金が用意できない場合は、事業規模の縮小なども検討しましょう。

【専門家からのアドバイス】

・自己資金は多ければ多いほど、審査において有利になります。
審査をより有利に進めていきたい場合は、開業に必要な全ての資金の3分の1を目安に自己資金を準備しましょう。
・自己資金はコツコツと貯めてきた形跡を通帳に残しましょう。
毎月コツコツと一定の金額を通帳に積み立てている形跡を残し、起業へ向けた計画性をアピールすると審査で有利になります。タンス預金や、貯金箱で貯めたお金は、形跡が残らないため自己資金とはみなされないケースがあります。必ず銀行口座に、形跡が残る形で準備してきましょう。
・自己資金がない場合は日本政策金融公庫ではなく信用金庫に融資の申込をするのも一つの手段です。
信用金庫での融資には、自己資金要件がありませんので申込をして融資審査に通る可能性があります。ですが、それでも自己資金はあった方が良いです。

  • (2)水道光熱費や家賃、携帯代などの毎月の支払に滞りはありませんか?

水道光熱費や家賃、携帯代など毎月の支払に滞りがある場合、融資審査に大きく影響を及ぼします。

【審査の基準】
・過去半年以内の支払に滞りがないか
・過去半年以内の支払に滞りがある場合、常習的ではないか
(ポイント)
過去半年間の間に1・2回でありすぐに支払っていれば問題になることは少ないです。
ただし3回以上滞っている、すぐに支払いをしていない場合は、審査に大きく影響します。

【審査に落ちる人】

・過去半年以内の毎月の支払を3回以上滞っている人

【対策】
・1度や2度の支払い遅延の場合は、遅れてしまった理由を説明できるようにしてください。
またきちんと支払いを行った証拠(レシートや領収書、振込明細など)を提示できるようにしてください。
・融資の申込の際に、通帳の明細を日本政策金融公庫の担当者に見せることになります。
基本的に過去6ヶ月分の通帳の明細から支払い遅延がないかを確認しますので、融資申し込みの6ヶ月前からは特に毎月の支払は滞りがないように注意するようにしましょう。場合によっては、融資の申込のタイミングを遅らせることも考えましょう。

【専門家からのアドバイス】
・1度くらいの支払い遅延は大きな問題になることはありませんが、常習的になっている場合は要注意です。
日本政策金融公庫の担当者は、この人に融資をしても、水道光熱費などと同じように融資の返済も滞るのではないかと思われてします。このように思われてしまったら、融資を受けることはほぼ不可能と言えます。
・過去6ヶ月間は支払の遅延がない状態の通帳を準備してから申込をするようにしましょう。

  • (3)税金の滞納はありませんか?

税金の滞納がある場合は、融資を受けることはできません。

【審査の基準】
・税金の滞納はないか

【審査に落ちる人】
・税金の滞納がある人

【対策】
・税金の滞納がある場合は、融資の申込前までで全額支払いを済ませるようにしましょう。
・支払いが難しい場合は、支払を終えてから融資の申込をするようにしてください。

【専門家からのアドバイス】
・税金は、ローンやクレジットなどの他のどんな支払よりも優先されるべきものです。
税金の滞納があるだけで審査は通らなくなってしまいます。日本政策金融公庫の創業融資は我々が支払っている税金が投入されています。そのため税金を納めていない人は融資が下りるわけがありません。毎月の支払同様に、税金の支払いは遅れがないよう、きちんと行っていきましょう。

  • (4)過去5年~10年以内に債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)はしていませんか?

過去5年~10年以内に債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)をしている場合は、融資を受けることは非常に難しいです。日本政策金融公庫は、融資の可否を判断するために個人の信用情報を確認しています。
過去5年~10年以内に債務整理を行っていると、いわゆるブラックリストに載ってしまっている状態になりますので、融資を受けることは難しいです。

【審査の基準】
・過去5年~10年以内に債務整理を行っていないか

【審査に落ちる人】
・過去5年~10年の間に債務整理を行っており、個人信用情報に情報が掲載されている人

【対策】
・個人の信用情報は、5年~10年で抹消されます。
信用情報が抹消されてから再挑戦する、または自己資金だけで規模を小さく起業する方法を検討しましょう。
・信用情報は、ご自身で確認することができます。融資を申込する前に、信用情報の開示請求をしてみることをおすすめします。信用情報開示報告書の見方については、各種信用情報機関の案内を確認してください。

信用情報機関名保有する情報保有期間
株式会社CICクレジットカード契約期間中及び契約終了後5年以内
株式会社日本信用情報機構(JICC)クレジットカード・消費者金融契約期間中及び契約終了後5年以内
全国銀行個人信用情報センター(全銀協)銀行借入(取引情報)
契約期間中及び契約終了日後(完済後)5年以内
(債務整理情報について)
破産・民事再生手続き開始決定日から10年以内

【専門家からのアドバイス】
・債務整理の履歴は、5年~10年で抹消されます。
履歴が抹消されていれば、日本政策金融公庫の創業融資の審査には影響しない可能性があります。
信用情報機関で履歴を確認して、事故情報が抹消されていることを確認してから申込をしましょう。
・債務整理後間もない人は、履歴が抹消されるまでの間に自己資金をできる限り多く貯め、いざ融資の申込をする時に備えておきましょう。
・融資を受けずに、自己資金だけで規模を小さくして起業することも検討しましょう。

  • (5)過去5年~10年以内に借入金の返済やクレジットカードの支払い遅延はありませんか?

借入金の返済やクレジットカードの支払いに遅延があると、融資審査に大きく影響を及ぼします。
日本政策金融公庫は、融資の可否を判断するために個人の信用情報を確認しています。

1度や2度の遅延ですぐに支払いをしているのであれば、審査に大きな影響はありませんが支払いの遅延に常習性がある場合は、融資を受けられる確率が大きく下がります。いわゆるブラックリストに載ってしまっている状態です。
心当あたりのある人はまず、信用情報機関に開示請求を行ってください。

ネットや郵送で簡単に情報開示の申込ができます。開示には利用手数料(約1,000円)がかかります。
主な信用情報機関は次の3つです。
それぞれ保有している情報が異なりますので確認したい情報を保有する信用情報機関に開示請求をしてください。

信用情報機関名保有する情報
株式会社CICクレジットカード
株式会社日本信用情報機構(JICC)クレジットカード・消費者金融
全国銀行個人信用情報センター(全銀協)銀行借入

【審査基準】
・借入金の返済やクレジットカードの支払い遅延がないか
・返済・支払いの遅延が常習的ではないか。
(ポイント)
一般的に2カ月以上の返済・支払いの遅延がある、3回以上返済・支払いの遅延がある場合は、審査に大きく影響する可能性があります。
・個人信用情報に「遅延」「延滞」「異動」「代位弁済」「貸倒」「法定免責」などの事故情報がないか
※詳しい信用情報の見方については、各信用情報機関の案内を確認してください。

【審査に落ちる人】
・借入金やクレジットカードの支払いを頻繁に遅延している人
・個人信用情報に「遅延」「延滞」「異動」「代位弁済」「貸倒」「法定免責」などの事故情報が載っている人

信用情報開示報告書 見方と審査に落ちるNG表示

【対策】
・個人信用情報の履歴は、5年~10年で抹消されます。
事故情報が消えてから融資の申込をする、または自己資金だけで規模を小さく起業する方法を検討しましょう。

【専門家からのアドバイス】

・個人信用情報の事故情報の履歴が抹消されていれば、日本政策金融公庫の創業融資の審査には影響しない可能性があります。
・融資を受けずに自己資金だけで規模を小さくして起業することも検討しましょう。
・融資を受ける時期を見直し、履歴が抹消されるまでの間に自己資金をなるべく多く貯め、融資申し込みに備えましょう。
・お金の管理は経営者としても必須の能力です。今の内からお金の管理を徹底しておきましょう。

  • (6)消費者金融やカードローン、クレジットカードのキャッシングの利用はありませんか?

消費者金融やカードローン、クレジットカードのキャッシングの利用残高がある場合、審査に影響があります。利用残高がある場合、自己資金を用意していたとしても、利用残高分を差し引いた金額が自己資金としてみなされることになってしまいます。
例えば、自己資金を200万円用意したとしても、利用残高が100万円ある場合、自己資金は100万円として審査が行われることになります。
消費者金融やカードローン、クレジットカードのキャッシングの利用残高によっては、自己資金が0とみなされ、創業融資の申込自体ができなくなってしまうケースもあります。

【審査基準】
・消費者金融やカードローン、クレジットカードのキャッシングの利用残高の有無
・消費者金融やカードローン、クレジットカードのキャッシングの利用残高の金額


【審査に落ちる人】
・消費者金融やカードローン、クレジットカードのキャッシングの利用残高が多くある人

【対策】
・消費者金融やカードローン、クレジットカードのキャッシングの利用残高がある人は、可能な限り完済をしてから融資の申込を行うようにしましょう。
100万円以上の借入がある場合は、審査に落ちる可能性が高いです。
一方で、10万~30万円程度の借入であればあまり影響がないと言えます。
消費者金融やカードローン、クレジットカードのキャッシングの利用残高があると残高分は、自己資金から相殺されてしまいます。

【専門家からのアドバイス】

・消費者金融やカードローン、クレジットカードのキャッシングの利用残高があるからと言って融資の申込ができない、必ず審査に落ちるというわけではありませんが、完済した上で、十分な金額の自己資金を用意してこくことが望ましいです。
・消費者金融やカードローン、クレジットカードのキャッシングの利用の理由を聞かれるケースがあります。正直に答えるようにしましょう。

2.いよいよ創業融資の申込!提出書類の中で主にチェックされている書類はこの3点

創業融資申し込み前の自己チェックをクリアしたらいよいよ、創業融資の申込です。
日本政策金融公庫の創業融資の主な必要書類は次の13点です。

申込時に事前に提出する書類と、面談の際に持参を求められる書類があります。
中でも、融資審査においてチェックされる主な書類3点「☆1(1)創業計画書」、「☆2(1)預金通帳」、「☆3(5)不動産の賃貸借(予約)契約書又は、物件の説明書」について詳しく解説していきます。

  • 【日本政策金融公庫「創業融資」の申込時の必要書類7点】
(1)借入申込書
☆1(2)創業計画書
(3)創業の為に必要な設備等の見積書や工事請負契約書のコピー
(4)創業のために既に使った資金の領収書やレシートのコピー
(5)許認可証・資格または免許を証明するもののコピー
(6)代表者の本人確認書類(免許証・パスポート・マイナンバーカード)のコピー
(7)履歴事項全部証明書(登記簿謄本)の原本と定款のコピー(法人のみ)
  • 【日本政策金融公庫「創業融資」の面談時の必要書類6点】
☆2(1)預金通帳
(2)勤務時の源泉徴収票または確定申告書2年分
(3)借入金の返済予定表
(4)固定資産税課税明細書及び固定資産税の領収書
☆3(5)不動産の賃貸借(予約)契約書又は、物件の説明書
(6)代表者の本人確認書類(免許証・パスポート・マイナンバーカード)の原本

☆マーク=審査で主にチェックされる書類

日本政策金融公庫の創業融資の必要書類について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
日本政策金融公庫では教えてくれない!創業融資の必要書類と準備のコツ【起業の専門家が解説】
https://ntoconsulting.jp/sougyouyusi/nihonseisakukinyukouko-hituyousyorui.html

  • ☆1.創業計画書

創業計画書は、創業融資の審査において最も重要な書類です。
創業間もない事業者は、事業の実績がないことはもちろん、会社・事業者としての信頼もありませんが、計画さえしっかりしていれば、融資を受けられるというチャンスでもあるといことです。
この創業計画書をしっかりと作りこんでおくことが、創業融資の審査を通過する大きなポイントとなります。
ここでは、創業計画書の各項目ごとに審査の基準をお伝えしていきます。
創業計画書の主な気項目は次の8項目です。

【創業計画書の8項目】
①創業の動機
②経営者の略歴
③取扱い商品・サービス
④取引先・取引先関係等
⑤従業員数
⑥お借り入れの状況
⑦必要な資金と調達方法
⑧事業の見通し

詳しい創業計画書の書き方についてはこちらの記事を参考にしてください。
日本政策金融公庫の創業計画書の書き方11ステップ!審査を通すためのテクニックを完全公開!
https://ntoconsulting.jp/sougyouyusi/sougyoukeikakusyo-kakikata.html

創業計画書の見本

①創業の動機
創業の動機は、創業に対する熱い想いを伝える項目です。

創業の動機の記入例 洋菓子店創業の例

【審査基準】
・創業の動機に主体性を感じられるか。主体性とは、自らの意思や判断で行動しようとすることです。
(ポイント)
「他人からの勧めで起業を決意した。」ではなく、これまでのご自身の経験などを絡めて起業の決意をしたと伝えるようにしましょう。
・思いつきでの創業ではなく、以前から考え準備、行動してきたことか
(ポイント)
いつごろから起業について考えてきたのか、そのためにどのような準備、努力を行ってきたのかを伝えるようにしましょう。
・起業することで何が実現できるかが明確か
(ポイント)
起業をすることで、ある一定の問題を抱える人々の問題解決をすることができる、○○について多くの人々に広め、喜んでいただくことができるなど、具体的に記載しましょう。
・社会にどのように貢献することができるのか
(ポイント)
地域活性化や、社会的な問題解決につながる活動について記載します。
・家族や周囲の人の理解は得ているか
(ポイント)
家族から同意を得ていることを記載していれば問題ありません。

【審査に落ちる可能性が高い人】
・創業の動機が思いつきであったり、他人に勧められたなど熱意がない人

【対策方法】
説得力のある創業の動機を書く際は、次の方法を参考にしてみてください。
次の6つの問いを自分自身に問いかけてみてください。
この6つの問いの答えを整理して文章に落とし込んでみると、自然と説得力のある創業の動機が完成します。

Q1.いつから創業したいと考えていましたか?
Q2.創業するために、いつから、どのような活動をしてきましたか?
Q3.活動の結果、得られた実績や経験は何ですか?
Q4.なぜ今のタイミングで創業しようと思ったのですか?
Q5.ご自身が創業することで、何を実現することができますか?社会にどう貢献することができますか?
Q6.今回の創業についてご家族や周囲の方から、何と言われていますか?


創業の動機の詳しい書き方はこちらの記事の【ステップ2.創業の動機の記入】を参考にしてみてください。
日本政策金融公庫の創業計画書の書き方11ステップ!審査を通すためのテクニックを完全公開!
https://ntoconsulting.jp/sougyouyusi/sougyoukeikakusyo-kakikata.html#1syou2

【専門家のアドバイス】
・創業の動機は創業に対する熱意を伝える箇所です。
創業の動機から、「いい加減さ」や、「いきあたりばったり感」、「思いつきで起業をする」などを感じ取られてしまうと、事業がうまくいかなかった時にすぐに辞めてしまうのではないかと懸念され、審査に影響を与える可能性があります。創業への本気度を伝えられるようにしましょう。

②経営者の略歴
経営者の略歴は、これまでの経験や実績をアピールする箇所です。

経営者の略歴 美容室創業の例

【審査基準】
・創業する事業に関係する経験は十分であるか
(ポイント)
最低でも3年以上、6年以上が望ましいです。
・事業に必要な免許や資格を持っているか
(ポイント)
美容師の場合、美容師免許/飲食店の場合、食品衛生責任者など具体的な免許や資格について記載します。
事業を始めるために必須の免許や資格がある場合、重要な項目です。
・経営や管理に関わる経験があるか
(ポイント)
これまでの勤務先などで経験した、経営や管理部門の業務について具体的に記載しましょう。
・販売や営業実績・コンテストなどでの賞の受賞歴など、事業を行っていく上で強みとなる実績があるか
(ポイント)
月の販売件数や売上など数字で表すことができるものや、賞などの受賞歴を記載しましょう。

【審査に落ちる可能性が高い人】
・創業する事業の経験が全くない、経験が浅い人
・そもそも事業に必要な免許や資格を持っていない人

【対策方法】
・全く経験のない事業内容で融資を受けることは難しいです。
アルバイト等でも構いませんので最低3年以上の実務経験を積んでから融資を申込むようにしましょう。
・事業に必要な免許や資格、許認可が揃っていないと融資は受けられません。免許や資格、許認可を取得するための費用は、融資は受けられませんので、あらかじめ自己資金を利用して取得しておく必要があります。
・記載例の書き方を参考に記載してみてください。

【専門家のアドバイス】
経営者の略歴の欄は、重要な項目です。
創業時は、事業の実績がない分、経営者がこれまで積んできた経験が融資の可否の判断に直結します。
経験や実績としてアピールできることは漏れなく記載しましょう。

経営者の略歴の詳しい書き方はこちらの記事の【ステップ3.経営者の略歴の記入】を参考にしてみてください。
日本政策金融公庫の創業計画書の書き方11ステップ!審査を通すためのテクニックを完全公開!
https://ntoconsulting.jp/sougyouyusi/sougyoukeikakusyo-kakikata.html#1syou3

③取扱い商品・サービス
取扱い商品・サービスは、実際に顧客に提供する商品やサービスについて具体的に記載する箇所です。

取扱商品・サービス 飲食店創業の記入例

【審査基準】
・商品・サービスの内容や価格帯まで具体的に記載されているか
(ポイント)
主要な商品について「商品名○○○  価格○○円」と記載しましょう。
・他社との差別化ができる強みについて言及しているか
(ポイント)
他社と差別化できる強みについて、これまでの経験や技術力などを絡めて記載してください。
・販売ターゲット(年齢・性別・エリア・家族・職業など)を決めているか
(ポイント)
「○○エリアに住む、○代~○代の女性」や「○○エリアに勤めている○代~○代の男性サラリーマン」などと、年齢・性別・エリア・家族・職業などなるべく具体的に記載してください。
・販売ターゲットに合わせた販売戦略が組まれているか
(ポイント)
例えば、若者向けの商品やサービスであれば、インスタグラムなどのSNSを活用した販売戦略、地域住民をターゲットとするのであれば、チラシのポスティングや地域のイベントへの参加などの販売戦略が挙げられます。
・市場や競合他社について調査できているか
(ポイント)
市場の環境や競合他社について調査をし、調査の結果を数字で表したり、対象顧客のアンケート結果や顧客の声などを記載しましょう。

【審査に落ちる可能性が高い人】
・商品やサービスの販売戦略が曖昧な人
・自社の強みを把握できておらず、事業に活かせない人
・市場や競合他社の調査ができていない人

【対策方法】
・サービス内容が複雑、わかりにくい場合は別紙を用いて説明するようにしましょう。
日本政策金融公庫の担当者は融資のプロですが、それぞれの業界のプロではありません。よりわかりやすくビジネスモデルを伝えられるようにしましょう。
・実際の商品の写真やメニュー表を別紙で用意するわかりやすくなります。
・業界の動向、競合他社や店舗周辺の環境は事前に調べておきましょう。

【専門家のアドバイス】
・とにかく、商品サービスや自分の強みを書いてください。強みとは、競合他社よりも優れているもののことを言います。
・専門用語は使わないようにしましょう。
・商品やサービスの魅力だけでなく、それを販売・提供するご自身の強みを絡めて、この商品・サービスを選んでもらえる理由を記載しましょう。

取扱い商品・サービスの詳しい書き方はこちらの記事の【ステップ4.取扱商品・サービスの記入】を参考にしてみてください。
日本政策金融公庫の創業計画書の書き方11ステップ!審査を通すためのテクニックを完全公開!
https://ntoconsulting.jp/sougyouyusi/sougyoukeikakusyo-kakikata.html#1syou4

④取引先・取引先関係等
取引先・取引先関係等は、実際に商品・サービスを提供する客層や、事業を行っていく上での仕入先や外注先などの取引先について記載する箇所です。

取引先・取引関係等の記入例

【審査基準】
・販売先が個人の場合、具体的な販売ターゲット(年齢・性別・エリア・家族・職業など)が明確か
(ポイント)
「○○エリアに住む、○代~○代の女性」や「○○エリアに勤めている○代~○代の男性サラリーマン」などと、年齢・性別・エリア・家族・職業などなるべく具体的に記載してください。
・販売先が法人の場合、1社に依存していないか、複数あるか
(ポイント)
販売先や取引先が1社の場合、その取引先が倒産してしまったり、取引が停止となった場合に倒産のリスクが高くなります。まだ、これから契約をする先、契約をしたい先も記載しておきましょう。
・仕入や外注先など、事業を行っていく上で必要な取引先にめどはついているか。
(ポイント)
事業をスタートしていく上で、最低限必要な仕入先や外注先は必ず記載しましょう。飲食店なのに食材の仕入先が決まっていないようでは、本当に事業ができるのか心配になってしまいます。
・回収・支払いの条件は確認してあるか
(ポイント)
回収・支払い条件は、事業を行っていく上で重要なものです。きちんと契約を確認して記載してください。

【審査に落ちる可能性が高い人】

・販売先や仕入先・外注先の目途が立っていない人

【対策】
・販売先や取引先は、既に契約が済んでいる先だけではなく、交渉中の先や、これから交渉する先なども記載しましょう。

【専門家のアドバイス】
・販売先や取引先は多ければ多い方が、審査においてプラスになります。
欄に書きれない場合は、他○社として、別紙で一覧にしておきましょう。
・取引先との関係性が深い方がいいです。「元勤務先」や「知人の会社」など補足をしておきましょう。
・大手企業との取引も審査においてプラスになります。
・既に契約が済んでいる場合は、契約書のコピーなどを証拠書類として用意しておくと信憑性が増します。

取引先・取引先関係等の詳しい書き方はこちらの記事の【ステップ5.取引先・取引先関係等の記入】を参考にしてみてください。
日本政策金融公庫の創業計画書の書き方11ステップ!審査を通すためのテクニックを完全公開!
https://ntoconsulting.jp/sougyouyusi/sougyoukeikakusyo-kakikata.html#1syou5

⑤従業員数
法人の場合は、役員の人数を記載します。
また3カ月以上継続して雇用する予定の従業員がいればその人数を記載します。

従業員の記入例

【審査基準】
・業務量や売上の規模に対して、適切な人数であるか
・従業員を雇う場合、採用の目途は立っているのか


【審査に落ちる可能性が高い人】

・業務量や売上の規模に対して、無駄に従業員を雇おうとしている人
・採用の目途が立っていない、採用の準備が進められていない人

【対策】
・想定される売上に沿った業務量をシュミレーションして従業員数を検討しましょう。

【専門家からのアドバイス】
・従業員は、多すぎても少なすぎてもNGです。
創業計画書上では、人数の記載のみですが面談時になぜこの人数としたのか、採用の目途はたっているのかなどを質問されます。説明をできるように備えてください。

取引先・取引先関係等の詳しい書き方はこちらの記事の【ステップ6.従業員の記入】を参考にしてみてください。
日本政策金融公庫の創業計画書の書き方11ステップ!審査を通すためのテクニックを完全公開!
https://ntoconsulting.jp/sougyouyusi/sougyoukeikakusyo-kakikata.html#1syou6

⑥お借り入れの状況
ここでは、代表者個人の借入について記載していきます。

お借入の状況の記入例

【審査基準】
・自身の借入についてきちんと把握しているか
(ポイント)
日本政策金融公庫の担当者は、代表者個人の借入について全て把握しています。
嘘をつくことはもちろん、記載の漏れがないようにしてください。
・事業の利益より、借入の毎月の返済額が多くないか
(ポイント)
事業の利益より、既存の借入の返済額が多い場合は借入できません。
事業の見直しをするか、借入金の返済額を減らしてから申込をするようにしてください。

【審査に落ちる可能性が高い人】
・自身の借入について管理・把握できていない人
・事業の利益より、既存の借入の返済額が多い人

【対策】
・消費者金融やカードローン、クレジットカードのキャッシングは完済してから創業融資の申込をするようにしましょう。

【専門家からのアドバイス】
・全て正直に記入しましょう。仮に嘘をついたとしても、日本政策金融公庫は個人の借入の状況を調べますので、必ずバレます。嘘をついていると、印象が悪くなり融資の審査に影響します。
・これから始める事業の利益を照らし合わせて、代表者個人の生活ができるのかも見られています。
代表者個人の借入が多く、生活が回らないような状況では、融資したお金が別の借入の返済に充てられるのではないかと懸念され、融資を受けることが難しくなってしまいます。
生活費と借入金の返済額が事業の利益より少ないことを説明できるようにする必要があります。
・住宅ローンや車のローンについては特に問題にはなりません。

合意書を見せている人

⑦必要な資金と調達方法
ここでの主な審査のポイントは、次の6つです。
 (1)設備資金
 (2)運転資金
 (3)自己資金
 (4)親、兄弟、知人、友人等からの借入
 (5)他の金融機関からの借入
 (6)日本政策金融公庫 国民生活事業からの借入

それぞれ詳しく解説してきます。

必要な資金と調達方法 美容室創業の例

(1)設備資金について
設備資金とは、開業のために必要な設備(基本的に10万円以上のもの)のことです。
金額の大きな順に上から記載していきます。

【審査基準】
・設備資金は、売上の規模に対して過大ではないか、設備のグレードが高すぎないか
(ポイント)
事業の利益の中から、借入金の返済が行われます。設備資金が借入金の多くを占めていて、毎月の返済金額が膨大になり、利益の中から毎月の返済が行えなくなってしまうようであれば、設備のグレードを見直したり、リースで対応するなど検討する必要があります。
・内装工事の坪単価は高すぎないか
(ポイント)
内装工事の平均坪単価30万円~50万円と言われています。
・事業規模に対して店舗や事務所は大きすぎないか
(ポイント)
夫婦二人で経営する飲食店に対して、座席数30席の店舗は現実的ではないですね。
初めから立派な事務所も本当に必要なのか?という目で公庫の担当者は見てきます。

【審査に落ちる可能性が高い人】
・必要以上の設備を購入しようとしている人
・設備の必要性について問われた時に、論理的な回答ができない人

【対策】
・設備や店舗、事務所は本当に初めから、そのグレードの設備が必要なのか検討しましょう。
・金額の大きなものは複数の業者から相見積もりを取って検討しましょう。
・中古で購入することも検討しましょう。

【専門家からのアドバイス】
創業に向けて準備を進めていくと、当初予定していたより、金額が高くついてしまうことはよくあります。
特に店舗を構える飲食店や美容室は、理想のお店にしたいと内装工事やテーブルや椅子など備品にお金をかけてしまいがちです。創業当初は、想定より売上が上がらないなど何があるかわかりません。はじめは小さくスタートして、売上の推移に応じて徐々に設備や規模を拡大していくことをおすすめします。

(2)運転資金について
運転資金とは、事業を続けていくうえで必要な資金のことです。
毎月、固定してかかる経費と考えてください。

【審査基準】
・運転資金は毎月の経費や売上の回収スケジュールなどを踏まえた金額となっているか。
(ポイント)
運転資金の目安は毎月の経費の3ヶ月分です。

【審査に落ちる可能性が高い人】
・運転資金の内訳について、根拠を説明できない人

【対策】
・運転資金として申請できる金額の目安は毎月の経費の3ヶ月分です。
売り上げの回収までに時間がかかるなどの理由もなく、多く借入したいからと運転資金を水増ししてはいけません。
・実際に毎月発生する経費を細かく見積もっておきましょう。

【専門家からのアドバイス】
創業時は売上は多く、経費は少なく見積もりがちです。実際に事業がスタートしてみる想定上の支出があって困ったという声が多いです。また、融資面談の際に説明を求められる可能性があります。

(3)自己資金について
開業のためにご自身で用意してきた自己資金の金額を記載します。
法人の場合は、資本金の金額を入力します。

【審査基準】
・創業融資の申込要件(開業資金の10分の1)を満たしているか。
(ポイント) 
開業資金が1,000万円の場合、自己資金は100万円が必要です。
・開業資金に対しての自己資金の割合(3分の1以上が理想)
(ポイント)
 開業資金が1,000万円の場合、理想の自己資金は300万円以上が理想的です。

【審査に落ちる可能性が高い人】
・創業融資の申込要件(開業資金の10分の1)が無い人
・自己資金が少なく借入希望額が大きい人(開業資金の8割以上が借入金)

【対策】
・自己資金は多ければ多い方が、融資審査において有利になります。
・自己資金が少なく、借入の割合が多くなってしまう場合(開業資金の8割以上が借入金)は、設備資金を見直しましょう。
・設備資金の見直しが難しい場合は、売上を大きくする、経費を削減するなども検討してみましょう。
それでも借入の割合が多くなる場合は、自己資金を十分に貯めてから融資の申込を検討しましょう。

【専門家からのアドバイス】
自己資金は、創業融資の審査の上で重要な項目です。多ければ多い方が審査において有利になります。
自己資金の用意が難しい場合は、日本政策金融公庫ではなく信用金庫の融資へチャレンジすることもできます。

自己資金や開業資金など起業に必要な資金について詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
必要な起業資金はいくら?資金調達の専門家が厳選した5つの方法を解説【保存版】
https://ntoconsulting.jp/sougyouyusi/kigyo-shikin.html

(4)親、兄弟、知人、友人等からの借入について
親、兄弟、知人、友人等からの借入がある場合、借入金額を記載していきます。

【審査基準】
・親、兄弟、知人、友人等からの借入の有無

【審査に落ちる可能性が高い人】
・特にありません。

【対策方法】
・特にありません。

【専門家からのアドバイス】
親、兄弟、知人、友人等からの借入があるからと言って審査に大きな影響はありませんが、必ず「金銭消費賃貸借契約書」を作成して、返済期日などを取り決めておきましょう。
他者からの借入を自己資金として申請する人がいますが、いわゆる「見せ金」になりますので、絶対にNGです。「見せ金」は絶対にバレます。融資審査において大きなマイナスの影響があります。

(5)他の金融機関等からの借入について
既に他の金融機関などから事業用の借入がある場合は、借入金額を記載していきます。

【審査基準】
・他の金融機関等からの借入の有無
・他の金融機関等からの借入の金額・金利・返済計画

(ポイント)
借入金額・金利・返済計画を次のように記載します。
○○銀行△△支店
元金○万円×60回(年○.○%)
借入金額が大きい、金利が高い場合、融資審査に影響がでることがあります。
・自己資金、他の金融機関等からの借入、日本政策金融公庫からの借入希望額の3つのバランス
(ポイント)
他の金融機関からの借入金額が大きい場合、売上などとのバランスを見て、日本政策金融公庫からの融資金額が減額される可能性があります。

【審査に落ちる可能性が高い人】
・他の金融機関等からの借入金額が大きい人
・他の金融機関等からの借入の金利が高い人

【対策】
・自己資金に対して、借入金額が割合が高くなっている場合(開業資金の8割以上が借入金)は、設備資金を見直しましょう。
・設備資金の見直しが難しい場合は、売上を大きくする、経費を削減するなども検は、設備資金を見直しましょう。

【専門家からのアドバイス】
他の金融機関からの借入は、融資審査において有利に働くケースと、不利に働くケースがあります。
有利に働くケース:「他の金融機関からの融資が下りている=信用がある」とみなされるケースです。
日本政策金融公庫からすると、「○○銀行さんが融資しているから大丈夫だろう」という考え方になります。

不利に働くケース:金利の高いビジネスローンを利用しているケースや、他の金融機関からの借入金額が大きく、自己資金の割合や売上の規模から考えて、返済が難しくなると考えられてしまうケースです。
また、既存の借入の分で資金が十分と判断されてしまうと貸してくれません。

(6)日本政策金融公庫 国民生活事業からの借入
日本政策金融公庫からの借入希望額を記載します。

【審査基準】
・自己資金、親、兄弟、知人、友人等からの借入、他の金融機関等からの借入とのバランス
(ポイント)
借入金額の割合が高い場合(開業資金の8割以上が借入金)、融資が受けられない、融資金額が減額となる可能性があります。

【審査に落ちる可能性が高い人】
・借入希望額が自己資金や、売上計画に対して大きすぎる人

【対策】
・自己資金に対して、借入金額が割合が高くなっている場合(開業資金の8割以上が借入金)は、設備資金を見直しましょう。
・設備資金の見直しが難しい場合は、経費を削減したり、売上をUPさせる方法なども検討しましょう。

【専門家からのアドバイス】
借入金額の一つの目安は、自己資金の3倍(自己資金が200万円の場合、600万円)です。
これ以上に、借入金額が大きい場合は、設備資金の見直しや、経費削減、売上を大きくするなどを検討する必要があります。
以上が創業計画書の「8.必要な資金と調達方法」の審査基準です。
創業計画書では最も重要な項目です。

必要な資金と調達方法の書き方について詳しくはこちらの記事の【ステップ8.必要な資金と調達方法の記入】を参考にしてみてください。
日本政策金融公庫の創業計画書の書き方11ステップ!審査を通すためのテクニックを完全公開!
https://ntoconsulting.jp/sougyouyusi/sougyoukeikakusyo-kakikata.html#1syou8

⑧事業の見通し
売上の見込みや収支計画を記載する箇所です。
創業当初と1年後又軌道に乗った後の月の売上や経費、利益の金額をそれぞれ記入し、その根拠を右側の欄に記載してきます。

事業の見通し(月平均)美容室創業の例

(1)創業当初の売上高・売上原価・経費・利益とその根拠
創業時、事業が軌道に乗るまでの売上高、売上原価、経費、利益の計画を記載していきます。
それぞれの計算の根拠を右側に記載します。

【審査基準】
・売上、売上原価、経費の根拠が、計算式で示されているか
・売上高を高く見積もりすぎていないか
・経費は安く見積もられていないか
・利益は出るのか

【審査に落ちる可能性が高い人】
・売上、売上原価、経費の根拠がない。どんぶり勘定な人

【対策】
・創業当初の売上は堅く、経費は多めに積もっておきましょう。

【専門家からのアドバイス】
創業当初の利益は、若干マイナスでも問題ありません。
創業当初から利益が多すぎると、融資を受ける必要はないのでは?と日本政策金融公庫の担当者に思われてしまいます。創業当初の売上は堅く見ておくのがベターです。

(2)1年後又軌道に乗った後の売上高・売上原価・経費・利益とその根拠
事業が軌道に乗った後の売上高、売上原価、経費、利益の計画を記載していきます。
それぞれの計算の根拠を右側に記載します。
一般的に、事業が軌道に乗るまでに6ヶ月はかかると言われています。また、日本政策金融公庫の担当も6ヵ月で事業を軌道に乗せて欲しいと考えているため、ここでは6ヵ月後の売上予想を記入することをおすすめします。

【審査基準】
・売上、売上原価、経費の根拠が、計算式で示されているか
・融資の返済が問題なく行えるほど利益がでているか

(ポイント)
個人事業主の場合は、利益の中から借入金の返済とご自身の生活費を捻出する必要があります。
利益が、借入金の返済額+生活費の金額を上回るような計画を立ててください。

【審査に落ちる可能性が高い人】
・売上、売上原価、経費の根拠がない。どんぶり勘定な人

【対策】
・軌道に乗った後は、必ず利益が出るようにします。
利益がでない場合は、事業計画の全体的な見直しが必要になります。

【専門家からのアドバイス】
軌道に乗った後は必ず利益が出るようにしましょう。
融資の返済はこの利益の中から行います。利益が出ていなければ、まず融資は受けられません。
個人事業主の場合はこの利益の中からご自身の生活費を捻出します。融資返済と事業主自身の生活が成り立つ王な計画を立てる必要があります。

  • ☆2預金通帳

過去6ヶ月以上の預金通帳の取引明細を確認されます。

【審査基準】
・自己資金の確認
・自己資金はこれまでコツコツ貯めてきた資金であるか(見せ金ではないか)
・家賃や水道光熱費、税金など日々の支払いがきちんと行われているか


【審査に落ちる可能性が高い人】
・自己資金をコツコツ貯めてきた形跡がなく、資金の流れが確認できない
・日々の支払いにルーズな人

【対策】
・自己資金はあらかじめ預金通帳に入金し、こまめに記帳をするようにしましょう。
・貯めてきた自己資金を、創業に伴い新しい通帳に異動した場合、自己資金を貯めてきた通帳も持参してお金の流れを説明できるようにしましょう。

【専門家からのアドバイス】
・自己資金をコツコツと貯めてきた形跡は融資審査においてプラスの評価となります。
創業に向けての計画性などが評価され、経営者としての能力も高いと判断されます。
・貯金箱や自宅で現金で貯めてきた自己資金は、貯めてきた形跡が残っておらず残念ながら自己資金とみなされないケースが多いです。必ず通帳に入金する形で自己資金を貯めるようにしてください。

  • ☆3(5)不動産の賃貸借(予約)契約書又は、物件の説明書

店舗や事務所を構える場合、物件の内容がわかる資料を提出します。

【審査基準】

・飲食店や美容室など店舗の立地が売上に大きく関係するような事業内容の場合、店舗の立地や広さ、周辺の環境、競合他社の有無
・売上に対しての家賃の割合(家賃が負担になりすぎていないか)

(ポイント)
適切な家賃の目安は、売上高の10%と言われています。

【審査に落ちる可能性が高い人】
・最寄り駅や客層、周辺の環境を調査せず、行き当たりばったりで物件を決めた人
・売上事業規模に対して、家賃が高額な立派すぎるオフィスを構えようとしている人

【対策】
・店舗や事務所を決める前に必ず、最寄り駅や客層、周辺の環境を調査するようにしましょう。
・周辺の家賃相場を確認しておきましょう。
・創業当初は居抜き物件を活用するなど、なるべく費用を抑えた形での開業を検討しましょう。

【専門家からのアドバイス】
店舗型の事業内容の場合は、物件の立地、周辺の環境、人通り、特徴などが売上に直結するため重要視されています。事業内容や、販売戦略を含めてなぜその場所にしたのか等を説明できるようにしておきましょう。
以上が、提出書類の中で主にチェックされている書類のそれぞれの審査基準です。

創業計画書の書き方や、創業融資の必要書類について詳しくこちらの記事を参考にしてください。

日本政策金融公庫の創業計画書の書き方11ステップ!審査を通すためのテクニックを完全公開!
https://ntoconsulting.jp/sougyouyusi/sougyoukeikakusyo-kakikata.html

日本政策金融公庫では教えてくれない!創業融資の必要書類と準備のコツ【起業の専門家が解説】
https://ntoconsulting.jp/sougyouyusi/nihonseisakukinyukouko-hituyousyorui.html

3.次は融資面談!面談で見られているポイントはこの3つ

創業融資面談では、おもに次の3つのポイントが見られています。 
 (1)創業計画書の内容を説明できるか
 (2)資料や数値を用いて、論理的に事業計画を説明できるか
 (3)社会人としてのマナー・経営者の人柄


それぞれ詳しく解説していきます。

  • (1)創業計画書の内容を説明できるか

基本的に融資面談は、事前に提出した事業計画書の内容に沿って行われていきます。
創業計画書の内容について、日本政策金融公庫の担当者がわからなかった点や、気になった点について質問をされます。

【審査基準】
・創業計画書の内容をしっかり把握し、自身を持って受け答えができているか

【審査に落ちる可能性が高い人】
・事業計画書をしっかりと作り込まなかった人
・事前の準備を怠り、行き当たりばったりで面談に挑んだ人
・創業計画書の記載内容と異なった話をした人

【対策】
・創業計画書は必ず提出前に控えをとり、何度も見返しておきましょう。

面談でよく聞かれる質問については、こちらの記事を参考にしてください。
日本政策金融公庫の面談のよくある21の質問と面談攻略の5つのコツを起業の専門家が伝授!
https://ntoconsulting.jp/sougyouyusi/nihonseisakukinyukouko-mendan.html

【専門家からのアドバイス】
創業計画書をしっかりと作り込りこみ、自分で内容を説明できるようにしておきましょう。
こちらからあまり話し過ぎず、日本政策金融公庫の担当者の質問に冷静に答えるスタンスでいましょう。

  • (2)資料や数値を用いて、論理的に事業計画を説明できるか

売上や経費、利益などの数値計画は、どんぶり勘定ではなく計算の根拠を説明できるようにしましょう。

【審査基準】
・売上や経費、利益などの数値計画は、これまでの経験や、業界の平均、見込顧客などを踏まえた論理的な計画になっており、面談で説明ができているか
(ポイント)
なぜその売上が出せるのかを計算式で表すようにしましょう。
例 客数×客単価×営業日数=月の売上
さらに、客数の根拠について、どのように集客をするのか(SNSや人脈など)を説明できるようにしましょう。

【審査に落ちる可能性が高い人】
・売上の計画について「気合で頑張ります」などと根拠のない回答をする人

【対策】
・創業計画書の8.事業の見通しの「売上高、売上原価(仕入高)、経費の根拠」の欄をきちんと作りこんでおきましょう。この欄で記入しきれない場合は、別紙を用意して、面談時にご自身が説明しやすい形に整えておきましょう。

【専門家のアドバイス】
複雑な事業モデルの場合、お金の流れを日本政策金融公庫の担当者にわかりやすく説明できるような資料を別途用意しておくとスムーズです。
売上について既に契約が決まっている場合、面談の際に契約書などを持参して提示すると売上の根拠として審査においてプラスになります。
契約書の他、顧客リストなども提示すると、数値計画に信憑性が増します。

  • (3)社会人としてのマナー・経営者の人柄

社会人として当たり前ですが、面談をわざわざするという事は社会人としてのマナーや経営者の人柄などもチェックされているということです。

【審査基準】
・社会人として必要最低限のビジネスマナーができているか
(時間厳守・清潔感のある服装・言葉遣いなど)


【審査に落ちる可能性が高い人】
・時間を守れない人
・挨拶ができない人
・面談の中で、怒ったり、弱気になってしまう人

【対策】
・服装はスーツがベターです。スーツがない場合は、清潔感のある服装を心がけましょう。
・日本政策金融公庫の担当者から厳しい質問をされることがあります。そこでムキになって怒ったり、弱気になったりしないようにしましょう。せいせいと対応するようにしましょう。

【専門家からのアドバイス 】
日本政策金融公庫の担当者は、決してあなたのことを困らせようとしているわけではありません。
また、審査に落としたくて質問しているのではなく、審査を通すために事業の良い点を引き出そうとしてくれています。事前の準備さえしっかりしていれば、面談はあまり心配する必要はありません。

創業融資サポート

4.まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、日本政策金融公庫の創業融資の審査基準や落ちる可能性の高い人、審査の対策方法についてお伝えしてきました。
審査基準について次のチェックリストにまとめましたので、融資審査の申込前、創業計画書の作成後、融資面談前などに、確認をしてみてください。

創業融資は失敗ができません。
審査の基準を抑えて、しっかりと準備、対策をして挑んでいきましょう。

創業計画書の書き方や、面談のよくある質問についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
日本政策金融公庫の創業計画書の書き方11ステップ!審査を通すためのテクニックを完全公開!
https://ntoconsulting.jp/sougyouyusi/sougyoukeikakusyo-kakikata.html

日本政策金融公庫の面談のよくある21の質問と面談攻略の5つのコツを起業の専門家が伝授!
https://ntoconsulting.jp/sougyouyusi/nihonseisakukinyukouko-mendan.html

創業融資サポート

記事の監修者
税理士 永島 俊晶 (ながしま としあき)

・永島税理士事務所、代表税理士 
・財務経営コンサル会社、代表取締役
・経産省認定「経営革新等支援機関」
・M&Aアドバイザー
・AFP(ファイナンシャルプランナー)
経営計画書と財務戦略を武器にして永続経営の起業支援を行う。
毎月70人以上の経営者の支援をする中で、成功・失敗事例から学んだノウハウや、経営者として得た知見を発信しています。

<講演会>
各自治体の創業者研修、経営力養成講座、一部上場企業営業研修など講師として実績多数

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