日本政策金融公庫から創業融資を受けるメリット・デメリット一覧

日本政策金融公庫から創業融資を受けるメリット・デメリット一覧

創業時といえば、これから事業を続けられるのか最も不透明な時期ですよね。そんな時に融資という名の借金を抱えることは得策と言い切れるのでしょうか?しかし一方で、創業時に融資を受けておくことで想定どおりの事業規模に拡張でき、売上を伸ばせる可能性も大いに考えられます。また他にも事業に関わる大きな利点と欠点を有しています。

創業融資を受ける前にそのメリット・デメリットを明確化しておくことで、創業への不安を軽減し、創業融資を受けるかどうか判断を下せます。

創業融資を受けるかどうか迷っておられるなら、今回の記事内容を創業融資申請の指標の一つとしてください。

日本政策金融公庫の創業融資を受けるメリット

まずは融資を受けるメリットを見ていきましょう。日本政策金融公庫は創業者が最も借りやすい金融機関だと言われています。

したがって創業前の事業者にとってはメリットがたくさんあるのです。

開業資金の借入ができる

開業前は実績がないので、民間の金融機関から融資を受けるのは非常に困難です。その点、日本政策金融公庫は創業時に特化した融資制度が存在し開業前から借入ができます。創業前に資本となるお金があれば、想定している企業規模で開業でき、利益の回収も早くなる可能性があります。

無担保・無保証で借りられる

一般的に金融機関から融資を受ける際には、不動産などの担保や連帯保証人が必要です。しかし日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用することで、無担保・無保証で数百万円以上の金額を借りられます。担保も保証人も必要ないので、倒産時のリスクを最小限に抑えられます。

民間の金融機関より金利が安い

はじめて融資を受ける場合、民間の金融機関よりも安い金利でお金を借りることができます。他の金融機関で融資を受ける場合、3%以上の金利が必要になるケースが多いようですが、日本政策金融公庫の新創業融資では、最大でも2.85%まで(2020/08/24現在)と定められています。

これは民間企業が利益を出さなければならないのに対して、日本政策金融公庫は100%政府出資の法人であることが大きな理由です。

ここで利率差による利息額の違いを検討してみましょう。

  • 金利2.85%で1000万円借りた場合

初年度の支払い利息額285,000円

  • 金利3%で1000万円借りた場合

初年度の支払い利息額300,000円

単純計算しただけですので実際の利息額ではありませんが、これに近い金額になります。その差は15,000円。これが10年続くと15万円の差が出ますね。そもそも日本政策金融公庫の最高利率と民間金融機関の最低利率の比較ですので、実際はもっと大きな差が生まれます。

固定金利で借りられる

日本政策金融公庫の金利は固定金利とされています。金利には「固定金利」と「変動金利」がありますが、変動金利は完済までの返済計画が立てづらいという欠点があります。市場における金利が上下するとそれに伴い支払う金利額も変動するというもので、金利が上昇した際に売上が減少すると、すぐに返済が行き詰ってしまう可能性も出てきます。

その点、固定金利は融資の契約をした段階で関西までの支払い利息額が決められ、月々の返済額も明瞭化できます。そのため返済計画が立てやすいものです。固定金利である以上、金利が低くなっても同一金利で返済を行なう必要がありますが、日本政策金融公庫の金利自体がそれほど高く設定されていないので、ネガティブな影響を受けることはまずありません。

長期間の借入が可能

新創業融資の返済期間は、基本的に「設備資金20年以内、運転資金7年以内」と定められています。最低5年から選択できますので、かなり長期的に借入することが可能です。

借入期間が長期間に及ぶと、月々の支払額が少なく、毎月の出ていくお金を抑えることができます。創業時にはスムーズに売上を立てられないケースが散見されますので、月々の負担額を抑えられると事業を軌道に乗せやすいのです。

ただし返済期間が長いとそれだけ金利額の合計は増えます。もし資金面に余裕がでてきたら、一括返済などを利用して返済期間を短くしましょう。

事業相談ができる

日本政策金融公庫では、創業者に対して親身になって融資や事業のアドバイスをしてくれます。これは日本政策金融公庫の基本理念によるものです。

“お客さまの立場に立って親身に応対し、身近で頼りになる存在を目指す。

政策金融の役割を十分に理解し制度を適切に運用するとともに、コンサルティング機能・能力の充実を図ることでサービスの質を向上し、資金と情報を活用することにより、政策金融を必要とするさまざまなお客さまのニーズに迅速かつ的確に対応する。“

日本政策金融公庫の基本理念抜粋

したがって、あなたの立場に立って経営のコンサルティングを行ってくれます。必要であれば専属の税理士や中小企業診断士も相談に乗ってくれます。事業を立ち上げると、何かと障壁が立ちふさがってくるものです。そんな時に迷わず相談できる相手がいれば頼もしい限りですね。

この他、創業を控えた方や操業して間もない方のために各地でセミナーが頻繁に開催されています。どなたでも参加できますが、融資をうけておれば、より参加しやすいですね。

資金繰りに行き詰っても返済スケジュールを変更できる

事業が思うように進まず返済が苦しくなった場合でも、日本政策金融公庫の融資であれば柔軟に対応してくれます。担当者に現状を正直に伝えて減額申請を行い、返済期間を延長して月々の負担を軽くしてもらいましょう。経営状況が安定してきたら、再び通常の返済スケジュールに戻すこともできます。

赤字が続き、運転資金が底をつくまえに、「今後の返済が厳しい」と感じた段階で、日本政策金融公庫に相談しましょう。

ところで減額申請が受理されて毎月の返済額を減らしてもらっている間は、日本政策金融公庫および他の金融機関からの融資は受けられません。

さらに、もし返済不能となった場合は、債権を売却されて相手の会社から裁判を起こされ、差し押さえとなります。最悪の事態になると倒産する他なくなりますので、早いうちに返済スケジュールを見直して経営を正常化させましょう。

日本政策金融公庫の創業融資のデメリット

続いて日本政策金融公庫から融資を受けるデメリットも知っておきましょう。

審査に日数がかかる

日本政策金融公庫で新創業融資を申し込んだ場合、融資実行までに最低でも1ヶ月はかかります。すぐにでも開業資金が欲しい人には長く感じられるでしょう。

ただ覚えておかなければならないのは、他の民間金融機関から融資を受ける場合は2ヶ月ほどの審査期間がかかることです。創業前に一般の金融機関から融資を受けるためには、信用保証協会を経由した制度融資を利用する他ありません。制度融資を利用すると金融機関と信用保証協会の2段階で融資審査が行われるため、日本政策金融公庫よりも審査期間が長いのです。

カードローンやキャッシングに比べるとキャッシュが手に入るまで時間がかかりますが、それでも民間金融機関よりは早く融資を受けられます。

借金を背負っているという恐怖

これまで利用したことのあるローンといえば、車か住宅ローンではなかったでしょうか?サラリーマンとして会社に所属し、給料の範囲内で返済していたことでしょう。給与は比較的定額ですから、返済予定も立てやすいですし、返済不能に陥ることも多くはありません。したがってローンに対する恐怖もそれほど感じませんね。

しかし、事業を興してその利益で返済していくとなると、今後の売上予測もたたないうちから、返済できるかどうか不透明な融資を受けて大丈夫だろうか、と心配になることもあるでしょう。

絶対に完済できるとは言い切れませんが、融資審査に通った段階で日本政策金融公庫は「この人のこの事業なら、おそらく完済可能」と捉えられています。第三者が完済できると考えているのですから、急激な情勢の変化や天災でもない限り、完済できるはずです。

逆に日本政策金融公庫の融資審査に通らなかった場合は、担当者から事業が成り立たないと考えられています。しっかりと事業計画書を作り込んでビジネスプランを考え抜いた人だけが、新創業融資を受けることができるのです。自信を持ってください。

融資以外の資金調達方法について

どうしてもデメリットが気になる方は、融資以外の方法での資金調達を検討してみましょう。

返済不要!助成金と補助金

利息の支払いも返済も不要の助成金と補助金制度。実は開業直後でも申請できるものがあります。今回は代表的なものをいくつかご紹介します。どれも申し込みには一定の条件と審査が課されますので、絶対にキャッシュが手に入るわけではありませんが、創業時の設備購入費用などを賄えるチャンスです。

  • 創業補助金

支給上限200万円

  • 事業継承補助金

支給上限200万円

  • 小規模事業者持続化補助金

支給上限50万円

この他にも、自治体による助成金制度や補助金制度もあります。創業する場所を管轄する地方自治体で、助成金などがないかチェックしてください。創業時は何かとお金がかかりますので、条件に合うものがあれば積極的に申請しましょう。

クラウドファンディング

一般の方々から少額ずつを集め、創業後に返礼品を送ったり、返済したりする方法です。たとえばある種の商品を販売するのに、生産コストをまかなうためクラウドファンディングが利用されることがあります。市場テストも兼ねて一般顧客の反応が数値として分かりますので、使い方によっては創業後に商品を販売しやすくなるメリットもあります。ただしクラウドファンディングサイトに仲介手数料を支払わなくてはなりませんし、絶対にお金が集まる保証もありません。

親戚や友人から借りる

最も融通の効く資金調達方法です。信頼関係が築けれていれば、大きな金額を貸してもらうことも可能です。ただし返済が滞ると大切な人との関係性が悪化してしまうことも考えられます。親戚や友人から借りる際は慎重に検討するべきでしょう。おすすめはしません。

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