副業でも創業融資は受けられる?

副業でも創業融資は受けられる?

近年、インターネットが普及したことで、副業のハードルは劇的に下がりましたね。コロナ禍による経済状況の悪化も後押しして、会社員を続けながら副業をもっと大きくしていきたい・新しく副業を始めたい。そのように考える人が増加しています。

とはいえネットショップ開業などの資金が必要な副業では貯金だけでは心もとないとお考えのかたもおられるでしょう。

ご安心ください。実は副業でも創業融資が受けられます。

創業融資を上手に利用して、あなたの副業を大きく膨らませてください。

副業への追い風

働き方改革と新型コロナウイルス感染症の流行

政府指導のもと働き方改革が推進されています。働き方改革は柔軟な働き方や同一労働同一賃金などの履行を企業に求めるものです。中でも最も有名となったのが「テレワーク」です。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、自宅で働くという選択肢が広く普及しました。テレワークにより往復通勤時間が削減されたことや、コロナウイルスの世界的拡大に伴いボーナスや給与の減少により、副業に関心を示す人が爆発的に増加しました。テレビでも「取り組みやすい副業」などの特集が組まれ放送されました。

日本型三種の神器の崩壊

日本型三種の神器とは「終身雇用」「年功序列」「企業内労働組合」を指します。

終身雇用とは、新卒で採用された企業で定年まで雇用され続けるシステムのことです。優秀な人材の長期間にわたり確保しなければならなかった高度成長期においては非常に優れたシステムでした。ところが総務省統計局「労働力調査2019」によると、2019年度中に転職した就業者は351万人で、2002年以降最多となりました。新卒で採用された企業で定年まで勤め上げるという意識は過去のものとなっています。

終身雇用が崩れたことで機能しなくなったのが年功序列です。年功序列とは、その企業に在籍する年数に応じて支払われる給与が増加し、役職も上がっていくものです。しかし人材が流動的となったことや事業スピードが飛躍的に増していることからも時代に合わないシステムとなってきました。経団連も「終身雇用や年功序列型賃金制度は時代に合わないケースが増えている」として、見直しの重要性を述べています。

正社員で定年まで働くという「常識」が見直される中で、非正規雇用が増加し企業内労働組合も弱体化しています。当時の企業内組合は、労働者が団結し、経営者と折衝して給与や福利厚生の改善を要求してきました。労働者が不正な待遇で働かされることを阻止する組織として機能していました。しかし正社員の減少、外注化の活発化、企業の成長スピードの鈍足化などで、その重要性は徐々に薄れています。

このように日本型雇用の三種の神器が崩壊し、企業に留まり働くことに優位性を見出せなくなった人が、副業をはじめて企業への依存から脱却しているのです。

副業したい・副業している人の増加

厚生労働省労働基準局提出資料によると、副業を希望している人や副業をしている人は爆発的に増加しています。1992年には約80万人だった副業従事者が、2017年には120万人を突破しています。この数字は副業も雇用されている人に絞った統計ですので、雇われていない副業、即ちブログ運営やサラリーマン大家、ウーバーイーツ配達員などで副収入を得ている人はカウントされていません。また、クラウドソーシングサービス大手のランサーズが実施したフリーランス実態調査2018年版によると2018年の副業フリーランス従事者は744万人、経済規模は7.8兆円に登るとのことです。

会社員の副業でも創業融資は受けられる

副業であっても創業融資は受けられます。

創業融資の借入先としては、日本政策金融公庫か制度融資が有力な候補です。中でも日本政策金融公庫は「無担保」「無保証人」「低金利」「創業のアドバイス実施」などを兼ね備えた創業者にとって非常に魅力的な存在です。

副業を始める・副業を本業にする際の融資には、日本政策金融公庫の新創業融資制度が利用できないかご検討ください。

副業に対する創業融資を受ける際は、一般的な融資と同様に、

  • これまでの実績
  • 事業計画書の内容
  • 自己資本
  • 信用情報
  • 本人の熱意

などが審査の対象になります。

ただし副業ならではの注意点もありますので、もれなく確認して対策を講じておきましょう。

副業で創業融資を受ける際の注意点

新規で副業を始めるケース

  • 就業規則

本業の勤務先の就業規則で、副業を行うことが問題ないのことが大前提です。

就業規則に明確な記述がない場合には、勤務先から副業の許可が出ていることが証明できる書類を提出しましょう。

もし就業規則に「副業禁止」と明記されている場合、創業融資は受けられません。融資申込前にあらかじめ就業規則を読み込んで、該当の記述を探してください。

  • 副業に費やせる時間

副業を行う時間が確保できるのかも融資審査の重要なポイントです。本業があるのですから、副業には本業の就業後と休日を利用することになりますね。そこで安定的かつ定期的に副業に費やす時間を確保できないと、事業として成り立ちません。一方で、本業に悪影響を及ぼすほど副業ばかりに精を出しては本末転倒です。本業を全うしながら副業を堅実に進められる事業計画が求められます。

  • 事業計画

実現可能な事業計画書を作成しましょう。

副業に取り組める作業時間はそれほど多くないので、事業を進められるスピードもそれほど早くはなりません。

外注を効率良く使って作業時間を短縮するか、時間に余裕を持たせた計画を練りましょう。

  • 自己資金

副業であっても融資を受ける際には自己資金が必要です。日本政策金融公庫によると、創業資金総額の1/10以上の自己資金が必要とのことです。しかし創業融資を受けるためには、融資希望額の1/3程度の自己資金が欲しいところです。

家計を圧迫するほど捻出する必要はありませんが、見せ金でない事業用自己資金を用意してください。

  • 副業にかかわる経歴

副業にかかわる知識や経歴、経験をまとめておきましょう。

当然ですが未経験の分野で起業するよりも、経験年数を重ねた分野で起業する方が、収益につながりやすいためです。

未経験の分野で副業を開始する場合は、創業の動機や売上の根拠を詳細に作成しておきましょう。

すでに副業をはじめているケース

  • 確定申告の実績

副業をすでに開始している場合は、毎年確定申告を行なっていることが前提条件となります。

確定申告をしていないと、日本政策金融公庫ではあなたが本当に副業を行なっているのかの判断ができません。

通常、副業の所得が年間20万円以下であれば確定申告は必要ありません。しかし近い将来事業を拡大する予定があったり、独立を検討されていたりするのなら、赤字でも収益が低くても確定申告を行うことをお勧めいたします。

  • 就業規則

本業の就業規則に「副業可能」の記載があれば問題ありません。しかし副業が禁止されている場合は創業融資を受けることはできません。

副業に関する規定がない場合は、上長や総務部などに確認を取り、可能であれば書面にしてもらいましょう。企業が副業を禁止する理由は主に情報漏洩のリスクや健康管理への懸念です。本業に差し障りのない範囲で副業をするならOKという企業もありますので、上手にプレゼンをして副業OKを勝ち取ってください。

  • これまでの実績

副業を開始してからこれまでの実績を別添資料としてまとめましょう。実績を元に今後の事業計画書を練り、必要な融資額を具体的に算出してください。

すでに素晴らしい実績をお持ちならいうことはありませんが、それほど多額の利益を出していない場合でも、数字を盛ったりせずに真実を伝えてください。融資を受ければ利益が上がる根拠があれば問題ありません。

  • 副業拡大の意志

今後副業を拡大して本業にする意志を示してください。

お小遣い稼ぎで終わってしまうような副業では事業性が認められず、融資が下りない可能性もあります。ゆくゆくは本業にしていきたいという考えや、そのためのステップをまとめてください。

創業融資が受けられないケース

FXや株式関連

限られた時間の中でレバレッジの高い取引ができることから、FXや株式の売買を副業にされている方もおられるでしょう。

残念ですがこのような投資関係の副業は、創業融資を受けられません。別の金策を講じる必要があります。

ただしマンション経営のための購入資金などであれば融資実行の可能性はあります。

副業が禁止されている

本業の勤務先で副業が禁止されている場合は、創業融資は受けられません。あくまで副業である以上、本業が優先されるためです。

副業が禁止されているなら、勤務先と交渉して就業規則を変更してもらう必要があります。

副業の資金を日本政策金融公庫から融資を受けるまでの流れ

1 事前調査と事業計画書などの書類を作成

融資の申し込みを行う前に、事前調査と書類の作成をしましょう。

事前調査とは、競合調査や必要な物品・サービスの洗い出しなどを行い、副業をスムーズに軌道に乗せるための準備をすることです。

その事前準備を元に事業計画書などの書類を作成してください。事前準備がしっかりとできていれば、初期費用や売上見込みが立てやすくなりますよ。

2 日本政策金融公庫に融資の申し込みを行う

日本政策金融公庫の事業資金相談ダイヤルに電話をかけ、融資の申し込みを行います。2020年10月現在、コロナウイルス感染症防止の観点から来店での申し込みは一部予約制となっています。来店される予定であればこちらから事前確認と予約をしてください。

このとき借入申込書や創業計画書を添付します。

3 融資担当者と面談

日本政策金融公庫の融資担当者と面談し、事業の計画を伝えます。

熱意を伝えることは重要ですが、面談時間は長くても2時間程度です。限られた時間の中であなたの計画を過不足なく伝えるために、結論から簡潔に話しましょう。

4 融資実行

面談から2週間前後で融資可否が決まります。

融資実行が決まると、日本政策金融公庫より「借用証書」や「団体信用生命保険の申込書」などが送付されてきます。必要書類にもれなく記載し、契約手続きを行います。

契約成立後、指定した口座に入金されます。融資資金を利用して副業を成長させましょう。

5 返済開始

契約に基づき、融資の返済を行います。

基本的には毎月返済ですが、日本政策金融公庫と相談して変更することも可能です。また、もし返済が難しい場合も相談すれば柔軟に対応してくれます。

副業の資金を日本政策金融公庫から融資を受けるまでの流れ

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