時代の流れをつかむ!コロナ禍のいま創業するメリット・デメリット

時代の流れをつかむ!コロナ禍のいま創業するメリット・デメリット

新型コロナウイルスの影響で生活様式が激変し、倒産やボーナス激減などが増加しましたね。給与の減少により副業や創業を始める人も少なからずいるでしょう。

この激動のさなかに新しいビジネスをはじめるメリットやデメリットを前もって知っておき、創業の検討材料になさってください。


コロナ禍による飲食業界の変化

まずコロナにより大打撃を受けた飲食業界の変化についてお伝えします。

新型コロナウイルスは飛沫感染(くしゃみや咳)や接触感染(ウイルスのついた手で触るなど)といった経路で感染します。そのため3密を避けるよう政府から要請があり、各都道府県からも休業要請や時短営業要請が出されました。コロナウイルスは感染すると最悪死に至る恐ろしいウイルスです。イギリスやドイツではコロナウイルス封じ込めのためにロックダウンまで敢行していることから、感染者が増加の一途をたどっていた当時の日本で、営業自粛などの要請がなされるのは当然といえば当然のことです。しかし経済的な打撃は避けられず、飲食業界は現在も厳しい状況が続いています。

著しい売上の減少

外出自粛やテレワークの急速な導入により、飲食店で外食する人が極端に減少しました。総務省サービス産業動向調査2020年8月分速報によると、宿泊業、飲食サービス業の売上高は前年同月に比べ33.4%減少で、7ヶ月連続の減少という結果となりました。33.4%減少ということは、前年同月100万円だった売上が、66.6万円まで減少したことを意味します。30万円以上の売上低下ですから、相当な打撃であることが理解できます。売上高推移は今年5月を谷として少しずつ盛り返してはいるものの、2020年8月における飲食業界の月間売上高は、他の追随を許さないほど減少しています。事業従事者も8.2%減少しており、労働者が少しずつ飲食業界から他業界へ移っていることが分かります。

現状を重く見た政府主導の元金融支援策としてGoToEatキャンペーンが始まりました。飲食店の予約によるポイント付与やプレミアム食事券(補助付き食事券)で、外食への消費行動を促すのが狙いです。大阪ではプレミアム食事券が約5時間で完売。京都府でも45分で完売し、不満の声が相次いでいます。飲食店の予約も一部順調のようで、すでにポイントを利用して飲食を楽しんでいる人もいるようです。

ただしまだ飲食業界全体が復活したとはいえません。その証拠にGoToEatキャンペーンは2021年3月ごろまで利用できる見込みとなっています。つまり来年3月になっても依然として厳しい状況が続くと予想されていることに他なりません。また飲食業界と同じく売上が落ち込んでいる宿泊業界に向けてGoToトラベルキャンペーンの予算追加を発表しました。コロナウイルスのワクチンが開発され全世界に配給されるまで、厳しい状況が続くと予想されます。

テイクアウトを中心とした販売形態の変化

外食しない人が増えたことで、飲食店は販売形態の変化を余儀なくされました。

その代表例がテイクアウトです。お店の前でお弁当を販売したり、注文を受けてから料理をつくったりして店頭で渡します。テイクアウトの開始には、専用の容器やテイクアウト用のメニュー表などが必要です。

そのほかにも、来年以降も利用できる食事券の販売、ウーバーイーツや出前館のような出前システムを導入して販売経路の確保を急ピッチで進めてきました。

コロナ対策と同時並行で今まで行ってこなかったの販売プランを1から練り上げてきたのですから、相当な苦労がしのばれます。

飲食店の倒産動向

株式会社帝国データバンクの飲食店の倒産動向調査(2020年度上半期)によると、2020年4-9月の飲食店倒産件数は392件で、上半期最多となりました。ここでカウントしている倒産数は、飲食店かつ法的整理かつ負債1000万円以上を対象としています。つまり小規模事業者や負債額が少額の飲食店は加味されていません。

コロナウイルス蔓延に先んじて負債を抱える前に畳んだ事業者や、計画的に閉店した事業者に至ってはさらに多いと予想されます。政府や自治体の金融施策をもってしても過去最多の倒産数を叩き出しており、未だ飲食業界全体としては困難に瀕しているといっても過言ではありません。

自治体主導のコロナ対策

政府とは別に、各地方自治体においてもコロナ対策と金融支援策を講じています。

まずはコロナウイルス感染拡大予防ガイドライン等を設けて、ガイドラインを遵守する飲食店に対し感染防止徹底ステッカー等の配布を行うものです。また感染拡大予防ガイドラインを遵守することで、GoToキャンペーンに参加できる権利を与えられる等の施策を取っています。お客様側もステッカーを見ればコロナ対策がなされているか一目で分かります。コロナウイルス接触確認アプリも配信されています。厚生労働省が開発したアプリで、ウイルス感染者との濃厚接触の可能性を通知されるものです。同様のアプリは一部の自治体でも開発されています。

またコロナ対策用助成金制度も各地で実施されています。たとえば福岡県ではマスクやフェイスシールド、ペーパータオルなどの購入費用に対して、最大10万円の助成を行なっています。大阪府ではGoToキャンペーンとは別に独自のポイント還元キャンペーンを展開しており、特に飲食店が密集しているミナミ地区の回復を図っています。

今後の課題

依然として売上が激減している状況に変わりはなく、ワクチン開発までは厳しい状況が続くと見られます。各店舗ではさらなる売上挽回策を講じる必要があり、また新商品の開発やネット販売などの販売ルート拡充も欠かせません。店舗内での飲食も、稼働席数の減少による売上低下は避けられません。

飲食業界は大きな方向転換を迫られているのです。

コロナ禍でも順調な業界とは

飲食業界は不況の真っ只中と言えますが、他の業界も軒並み不況というわけではありません。家の中でネットワークビジネスを介してサービスや商品を購入するいわゆる巣篭もり消費が伸びています。またテレワークや外注が一気に増加しました。このような背景から、任天堂(家庭用ゲーム作成・販売)、ニトリHD(インテリア小売)を中心に、家電業界やオンライン教育事業などが伸びています。

いま創業するメリット

条件のよい不動産を借りられる

倒産数が増えているということは、良い物件に空きが出る可能性が高いということです。実際に好立地の飲食店が閉店して、新しく別の飲食店に入れ替わる現場が増えてきました。好条件の不動産はそうそう空きませんので、これをチャンスと捉えて出店する創業者も多いようです。

コロナ対策を含めた創業プランが練れる

すでに飲食店を開業しているケースでは、コロナ対策が後手に回っています。

しかしこれから創業を考える場合、創業計画にコロナ対策を組み込めます。たとえば席数を減らす、席の間に仕切りを置く、消毒液を設置する、テイクアウトに対応する、クレジットカードやスマホ決済を導入するなど、事前に事業計画に組み込んでおけば慌てることなく開業できますね。

またコロナ対策を実施する場合は、経済産業省や厚生労働省、各地方自治体の補助金制度等が利用できます。日本政策金融公庫では実質3年間利子が無料になる新型コロナウイルス感染症特別貸付を実施しています。

今から開業する場合、このような補助を最大限に利用して、コロナに負けない店づくりが可能となるのです。

創業するライバルが少ない

コロナにより飲食業界は大打撃を受けています。その現状を鑑みて、コロナ収束まで開業を延期する人も少なくありません。したがって同時期に開業するライバルが少なく、上手く立ち回れば必ずやってくるアフターコロナ時代に、一人勝ちできる可能性もでてきます。

いま創業するデメリット

融資まで時間がかかる

どのような金融機関でも、現状コロナウイルス感染に伴う融資審査に追われています。そのため創業融資については融資実行までの時間が延びています。

通常なら日本政策金融公庫の新創業融資は融資実行までの期間は1ヶ月ほどです。しかし現在コロナウイルス感染症特別貸付を優先しているため、創業融資実行までに2ヶ月以上かかる可能性が出ています。早く開業したい創業者にとって1ヶ月以上の遅れは非常に痛いものです。

売上の低迷が続く可能性がある

飲食業界はまさに暗黒期が到来しています。売上は予想よりもはるかに低迷する可能性が高いのです。またこの状況はコロナウイルスのワクチン開発までは続くでしょうから、長期間耐え忍ぶことになるでしょう。

日本政策金融公庫の創業の手引き+によると、開業後軌道に乗るまでに半年以上かかった事業者が6割を占めています。コロナ禍ではさらに時間を要することを見越した上で開業資金を準備しておきましょう。

創業プランを作成しなおす必要がある

今まで創業プランを計画していた人は、コロナ対策を組み入れたプランを練り直す必要があります。大きくは

①コロナ対策のための支出を計上

②コロナ対策の補助金等を計上

③売上見込みを下げる

の3点を行うことになります。

特に③の売上見込みを下げることは苦痛を伴う作業となるでしょうが、開業後に売上が立たず閉店に追い込まれる可能性を少しでも低くするためには、必要不可欠な作業です。

創業プランを作成しなおす必要がある

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