起業を成功させるために創業前に知っておきたいよくある失敗パターン

起業を成功させるために創業前に知っておきたいよくある失敗パターン

起業には夢が詰まっていますし、起業して成功している自分の姿を想像するととても高揚しますよね。

ですが逆に失敗してしまったら…という不安も同じだけ発生するものです。

せっかくあなたの夢が実現するのですから絶対に成功させたいもの。創業する前によくある失敗パターンを学び、同じあやまちをしないように準備をしておきましょう。

企業の5年後生存率は81.7%

中小企業白書2017によると、日本企業の5年後の生存率は81.7%。つまり100社が起業したら、5年後にはそのうち19社が倒産しているということです。これだけ見ればそれほど大きな数字ではないように思えますが、今年度の新型コロナウイルス感染症蔓延のような非常事態になると倒産率はさらに大きく上昇します。東京商工リサーチによると、2020年12月18日現在の新型コロナウイルス感染症関連の経営破綻(負債1000万円以上)は5件。2月からの倒産累計は全国で804件に達しました。2019年度中の企業倒産件数は約8300件ですから、昨年度比率1割が新型コロナウイルス感染症により引き起こされた計算です。2020年度における倒産件数の発表は来年になりますが、明らかに昨年度よりも大幅に伸びることでしょう。

このように、社会的になんの問題も起こらなくても19%が倒産し、新型コロナウイルス感染症のような非常事態になるとさらに倒産件数が上昇します。

新型コロナウイルス感染症は誰もが予想できなかった事態です。「自分は完璧な経営プランがあるから大丈夫」と思わずに、石橋を叩いて渡るくらいの用意が必要です。

起業によくある失敗パターン(飲食店を例に)

期待したほどお客さんが来ない

  • 創業前に想定していたほどお客さんが入ってこない
  • 独立前に声をかけてくれた人がお客さんになってくれなかった
  • オープニングセール期間中しか人が入らなかった

このように期待していたほどお客さんが来ずに売上が上がらないパターンです。飲食店を例にすると、どれだけ下見を行い、人通りを確認し、美味しい料理を低価格で提供したとしても、その味が評判になりリピーターとなってくるまでには時間がかかるものです。同じ通りの飲食店が繁盛しているからといって、あなたのお店がすぐに同じだけ繁盛できるとは限りません。創業計画書を練り上げる時点で顧客数は少なめに見積もっておくと安心です。また創業すぐはお客さんが少ないことを想定しておき、販促や営業に時間をかけるよう計算しておきましょう。

準備資金がショート

創業直後から狙いどおり売上が上がれば良いのですが、それほどうまくいくものでもありませんよね。例えば「売上が上がればいいんだから」と、創業の準備期間にあれもこれもと購入してしまうと、すぐに行き詰って資金が底をついてしまうかもしれません。創業前には日本政策金融公庫等の金融機関が融資を行なってくれますが、創業後に資金繰りで困っても基本的に融資はしてもらえません。売上実績がないうちから融資しても、貸したお金を回収できる見込みがないからです。つまり準備資金がショート=倒産に直結するということ。創業時は自転車操業になることも覚悟して、とにかく準備資金を使い果たさないよう、余裕をもった資金計画を立てましょう。

事業計画が甘い

所詮机上の空論と、事業計画を甘くみている人ほど事業がうまく進まないものです。事業計画とは、創業後にビジネスを軌道に乗せるための大切な道案内となるもの。

根拠を元にしっかりと計画することが大切です。

たとえば、周囲の店舗で扱っていない料理を安く美味しく提供し、リピーターも多数確保できたとします。けれど乗せる利益が薄ければ、従業員への給料や仕入代金、お店の家賃などの支払いが間に合わなくなるかもしれません。またクレジットカード決済導入も重要な要素です。クレジットカード払い可にすることで新規顧客が狙える一方で、売上が現金化できるまでの時間がかかってしまいます。このように、表面上は儲かっていても実は資金繰りに困っている店舗は実は多いものなのです。

起業前から事業計画をしっかりと立てておき、必要な時に柔軟に方向転換できるよう何パターンものシミュレーションをしておきましょう。

起業を成功させるために事前に計画すべきこと

ビジネスプランを具体的にする

いま検討しているビジネスプランが本当に事業性のあるものなのかを見極めましょう。もし事業性がないと判断したなら、下記に沿って事業計画をブラッシュアップすることで持続可能なビジネスにしてください。

  • 誰のどんなニーズを解決するのか

同業他社の状況を確認し、創業予定のビジネスが顧客ニーズを解決できるのか検討します。具体的に確認すべきは以下の3点です。

  • お考えの顧客ニーズにすでに対応している店舗はあるか
  • 同業他社との違いは何か
  • 同業他社よりも顧客は満足するのか・するならそれはなぜか

たとえばビジネス街に飲食店を出店するケースを考えてみましょう。顧客ニーズに対応している店舗は、ランチタイムに安く手早く食べられる飲食店や、帰宅前に気軽に立ち寄れる居酒屋でしょう。まずはあなたのライバル店をあぶり出します。

次に、ライバル店との違いを明確化しましょう。すでに競合他社が先行利益を得ている状態で新規店舗が参入するには、なにかしらの違いがなければなりません。新規参入店が古参の劣化版であれば誰も寄り付きませんよね。値段・提供時間・メニュー・従業員の愛想の良さなど、思いつく限りの「違い」を洗い出してください。

同業他社との違いが明確になったところで、これを提供すればお客さんは本当に喜んでくれるのかを考えます。この段階はライバル店をじっくりと研究し、ライバル店を利用するお客さんが何に不満を持っているかがわかれば自ずと見えてくるものです。たとえばメニューが同じで飽きているようなら、多種多様なメニューを提供すれば顧客満足度は上がるでしょう。一方、清潔感があり女性が訪れやすい店舗のとなりに、清潔感より味で勝負するタイプの店舗を構えたなら、女性客の入りは見込めませんね。

  • 提供する商品やサービスの強みと弱み

顧客に対して提供する商品やサービスの強みと弱みを理解しておきましょう。「美味しい」「提供時間が早い」「リラックスできる空間」などは強みです。他方で「値段が少し高い」「ゆっくりできない」「店舗が狭い」などは弱みとなります。強みと弱みは表裏一体なので、強みをたくさん作り弱みを減らすことは不可能です。ただ強みとは「お客さんから見た良い点」です。あなたのビジネスを判断するのはあなたや同業他社ではありません。顧客目線に立ち、強みを強化し弱みをつぶすことは可能なのです。

  • 顧客への具体的な営業施策を練る

創業間もないころは売上が思ったほど上がらずヒマな時間が生まれます。その時間を販促や営業に使いましょう。創業前からヒマな時間の活用方法を模索しておけば、何もしないよりも早い段階でリピーターの確保が見込めます。またお客さんが来なくて悶々とし精神的に追い詰められることもないでしょう。

飲食店における販促や営業方法としては「チラシのポスティング」「SNSで情報提供」「ノボリの作成」「デリバリーの導入」「ポイントカードの配布」などが考えられます。ご自身の店舗にあった販促方法を試してください。宴会を主な売上とするなら企業に直接出向くのもベターです。企業の宴会人数は多いので、1件でも決まれば相当な売上が期待できます。

ムリのない資金計画を作成・実行する

創業にかかる資金源は非常に重要です。売上計画を固めたあとで損益計算及びキャッシュフローを計算しましょう。そして事業資金が枯渇しないための資金を逆算して調達します。なお売上計画・損益計算・キャッシュフロー計算等が苦手な方は開業が得意な税理士に相談を。

  • 売上計画を立てる

まず飲食店の売上基準値は1席当たり月間5万〜9万円(1坪あたり8万~14万円)と言われています。予定している店舗内の座席数を数えて基準値を確認してください。

次に売上上限を計算します。

売上上限=席数×回転数×客単価×稼働日数

売上上限よりも多くの売上が必要なら、デリバリーやテイクアウトも検討しましょう。ただし本命となる事業をおろそかにしないよう注意してください。また提供するメニューによってはデリバリーやテイクアウトが難しいケースもあるでしょう。可能な限り店内での飲食を想定した売上計画を立ててください。

最後に、悲観的な売上を計算します。最低限これだけは売れるだろうという見込みです。創業時は低調スタートがほとんどです。最低限の売上を見込んでおき、数ヶ月先まで資金が削られることも覚悟しましょう。

  • 支出額を計算し利益を試算する

新規開店に伴うインテリア・エクステリアにかかる費用だけでなく、カトラリー類やタッパーのような小物、仕入れ、店舗にかかる費用、従業員への給料など、考えつくありとあらゆる費用を書き出してください。創業前にかかる費用と創業後にかかる費用に分け、さらに定期的に支払いが必要なものは別にします。

一般的に飲食店を新規開業する場合、居抜きでなければ店舗の確保と改装工事だけでも数百万円の費用がかかります。多額の費用になりますが、恐れず数字と向き合ってください。ここで少なめに費用計上してしまうと、後々資金がショートする原因になります。

  • 資金繰り表(キャッシュフロー)を作成する

損益の計算ができたら資金繰り表(キャッシュフロー)を作成しましょう。キャッシュフローとは現金残高表のことだと考えてください。創業時にお金をかけすぎて、翌月には手元のお金が0。仕入れも行えない…といった悲劇を事前に食い止めるためのものです。

創業後に資金繰りに行き詰っても金融機関は融資をしてくれません。絶対にマイナスにしないよう計画的に資金を使いましょう。

  • 創業時に必要な資金を計算する

資金繰り表の作成から、創業時に必要な資金額が算出できます。

手元の預貯金で足りなくてもいいので、今は必要となる金額を計算し確認しましょう。また、ムダ遣いをしていないかの最終チェックも同時に行なってください。

  • 必要資金を調達する

必要資金が足りなければ、金融機関から融資を受けるなどして調達します。創業時に最も頼りになり多額の資金を融資してくれるのは日本政策金融公庫です。利子も低額ですし何よりこれまでたくさんの創業者に融資を行なってきた実績があります。資金調達には、まず日本政策金融公庫の利用を検討してください。

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